今年は、感覚のいい感じが長く続いてます。
 指先も感覚通りに動く。
 思った通りの構図と色彩を画面に作ることができ、ほとんど失敗しない。
 新しい技法に挑戦してみても、不自由な道具を使ってみても、おそらくその中でベストに近い制作ができている気がします。
 鑑賞してくださる方にはどう見えるかわかりませんが、描いている自分自身に手応えというか、充実感があるのは大きい。
 一筆一筆に、ちゃんと気が入っています。
 後は、描き手以上の充実感と満足感を、鑑賞者に感じてもらいたい。本当はそこが、絵描きという表現者として最も大切なところではないかと思うのです。
 僕の絵は徹底的な描き込みでも、細密描写でもない。いわば雰囲気を描くスタイルなわけで、視覚に訴えかけるスタイルに比べ、どこまで説得力を持たせられるのかはあやしい。
 形の無い音楽などに比べ、目に見える絵画は心に届きにくい。