西洋絵画が発展した要素の中に、遠近法があります。
その中でも一点透視図法は分かりやすい遠近法です。
実は中学生で習うこの一点透視図法、結構難易度が高いのです。
多分、興味を持った人なら簡単にマスターできたかも知れないのですが、多くの大人の生徒さんはこの一点透視図法が描けません。
しかも、どれだけ訓練しても、描けるようになってこないのです。
ここには、空間把握力が関係しているように思います。
絵画的に空間把握とは、感覚的にその奥行きを平面に置き換えられる事。
頭で考えた理論が実際と違っていたり、こうだという思い込みで描いてしまうと、空間を見ていない、把握できていないってことになります。
苦手な人は、このような状態に陥っているのだと思う。
実は絵画を描く上で、必ずしもこの遠近法が必要かと言われれば、そうでもありません。
しかし風景を描きたいと思った場合はどうしても避けて通れませんね…。
苦手な人も、別の方法でもっと魅力的に描けるはずで、悲観する事ではないのですが。
その正解の幅の広さが、絵画の面白さでもあるので。